ガチでヤバい!?「安いニッポン『価格」が示す停滞」:後編
こんにちは!ゆうまんです。
3部に渡って「中藤 玲 著 安いニッポン『価格』が示す停滞」の内容をお伝えしています。中編では「2.年収1400万円は「低所得」?人材の安い国」について記述しました。
なお、前編「1.ディズニーは世界最安値水準 物価の安い国」を読んでいない方は下記に掲載していますので、そちらからお読みいただければ幸いです。
さて、後編では「3.「買われる」ニッポン 外資マネー流入の先」について記述します。
中編にて「日本が安いという事は、海外の富裕層の格好のターゲットになってしまう」との記述をしましたが、具体例を挙げてご説明したいと思います。
➀土地が買われる
舞台は北海道ニセコ町。人口は約5000人で通年観光リゾート地として国内だけでなく国外からも多くの人が訪れる街です。
しかし、近年この街で異変が起きているそう・・・
ニセコで働いている従業員に取材すると、
「以前ニセコに住んでいたが、家賃が高くなって、今は郊外から車で1時間かけて通勤している」
とのこと。
また、別の人は、
「ラーメン1杯2000円もするから、とてもじゃないけど食べられない」
と嘆いていました。
他にも「ハンバーガーセット2000円」「カレー1500円」「スーパーのウニ5万円」など、ニセコだけ日本じゃないような物価高となっています。
なぜニセコの物価が上がってしまったのか。その理由は
「世界のスキーリゾートに比べてニセコは安く、海外観光客をターゲットにした外資マネーが流入したため」
といいます。近年、高級ホテルの建設が相次いでおり、それも外資マネーだといいます。ニセコは一例ですが、このように「日本の土地が外資に買われる」事例は他にもあるようです。
➁技術が買われる
液晶テレビ「アクオス」で一世を風靡した『シャープ』。家電の老舗『東芝』。
シャープは鴻海に買収、東芝の虎の子「半導体事業」は米投資会社に売却され、日本企業からの技術の流出が起きています。この事例だけにとどまらず、外資に買収された日本企業は後を絶ちません。
また、ノーベル賞候補であった藤島昭 東京理科大 榮譽教授の 中国上海理工大への移籍、ノーベル物理学賞を受賞した真鍋淑郎 プリンストン大 上席研究員は米国籍など、研究者の海外流出も顕著となっています。
「技術のニッポン」は今や昔かもしれませんね。
➂人材が流出する
さらに、日本のお家芸である「アニメ」も流出の波が押し寄せています。
中国企業「カラード社」は日本に「カラード・ペンシル・アニメーション・ジャパン」を設立し、日本人アニメーターを採用して中国アニメの制作を行っています。
日本に比べカラード社は待遇・労働環境が良いため、日本人アニメーターが流出しています。ちなみに日本は低賃金で、それはアニメ制作会社は儲からないためです。原因として、
米中のアニメ制作はネットフリックス、テンセント等の「巨大プラットフォーマー」が制作会社に巨額の資金を投入してアニメ制作しています。一方、日本のアニメ制作は「アニメ制作委員会」から予算制(低予算)でアニメ制作会社に発注されます。
グッズ等の二次利用収入は制作会社には入らないため、従業員は低賃金でのアニメ制作を迫られているのが現状です。
このように、物価安・低賃金によって「土地」「技術」「人材」の流出が起こっているのが今の日本です。今後、日本はどうなっていくのでしょうか・・・
まとめ
さて、「安いニッポン『価格」が示す停滞」の内容を前編、中編、後編に分け、一部私の所感を交えながらお伝えしました。
現在日本は、
「30年にわたり賃金が上がらず、他国と比べて物価が安い国になった(賃金も安い)」
「日本の ”土地”が買われ、”技術” ”人材”が流出している」
国になっているのが現状です。
日本国政府には早急に対策を打ってもらいたいですが、なかなか難しいと思いますので、自分だけでも この波に飲まれないために、今から出来る事を考え行動していきたいものです。
以上、長文失礼しました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
それではまた~ノシ